b型肝炎はゴムさえ装着すれば予防できる?

b型肝炎とはb型肝炎ウイルス(HBV)によって発症する病気です。HBVは感染者の血液、精液や膣分泌液など体液に含まれているのですが、これらに接触する事で新たに感染者が出てきます。最近は性行為による感染者が増加傾向にありますが、ゴム無しでのセックスや不特定多数の相手と関係を持つなど、奔放な性行動が原因と考えられています。

b型肝炎の主な感染経路

b型肝炎の感染経路として考えられるのは、輸血や針刺し事故など医療行為による事故、母親がHBVを保持している場合に限り出産時における母子感染、性行為、さらには消毒されていない器具を使ってのピアスの穴開けや入れ墨、違法薬物使用時の注射器の使いまわし等が挙げられます。

以前は血液に接触する行為が危険とされており、輸血の検査が不十分であったり、予防接種の際に注射針を使いまわす事によって感染が広まりました。またキャリアの母親からの子供への感染確率も高く、HBVの持続感染はほぼ母子感染によるものです。

ただし近年は予防接種では毎回注射針は変えられ、ウイルスが含まれないように輸血の検査も行われています。母子感染予防策によって母から子へ感染する事も無くなり、現代は性行為による感染が主な感染経路となっています。

b型肝炎の症状について

HBVに感染すると平均90日の潜伏期間を経て急性症状が現れます。倦怠感や食欲低下、疲労感など風邪のような初期症状の後に、腹痛や吐き気、黄疸などb型肝炎の典型的な症状が出てきます。これらの症状は1~3週間ほど続きますが、人によってはほとんど症状が現れない事もあり、一過性感染の中では70〜80%はこの不顕性感染に該当します。

そして残りの20~30%の人に急性症状が出て、さらにこの中から1~2%が劇症肝炎を引き起こす事になります。

劇症肝炎は致死率が約70%とも言われるほど非常に重い症状です。

また昔は4歳以上が一過性感染した場合は完治すると慢性化しないと考えられていましたが、近年は流行している型が変わってきており、4歳以降で感染しても約2割が慢性肝炎へと進行していきます。慢性肝炎はHBVによって肝細胞が破壊され、肝機能の異常が6ヶ月以上続く症状を言います。

こちらは自覚症状がないケースがほとんどで、基本的には健康な人と変わらない生活を送る事が出来ます。ただ長い年月をかけて肝臓を傷めている事になるので、特に治療を受けず放置したままの状態だと将来的には肝硬変や肝がんを発症させてしまいます。

b型肝炎の治療法とは?

倦怠感や食欲不振などが現れる急性症状がある場合は、とにかく安静にして栄養面などからアプローチしていきます。薬物療法では薬だけでHBVを消す事も可能で、重度で無ければ通院でも治す事が出来ます。服薬期間は症状によって個人差がありますが、一般的には3~6ヶ月が目安となっており、検査で肝機能の数値が正常に戻った事を確認します。

一方、慢性肝炎へと進行している場合は、完全にHBVを体の中から排除するのは難しくなります。完治はほぼ不可能であるため、抗ウイルス療法や免疫療法を行って、毎日快適に過ごす事と肝硬変や肝がんの発症を抑える事が治療の目的となります。

そして医療機関での治療のみならず、飲酒を控え、過労やストレスを避けた規則正しい生活、栄養バランスの良い食事を続ける事も必要になってきます。

b型肝炎、予防のためのポイント

b型肝炎に感染しないためには、まず血液に触れない事が大切です。例えば歯ブラシやカミソリなどは血が付着している可能性もあるため、共有は避けなければいけません。もし他人が怪我をした場合、手当をする時に血が自分の肌に付着するのも危険です。

自分にも切り傷や擦り傷があると、そこから血が混ざりあう事になるため、たちまち感染の可能性が高くなってしまうのです。そのため他人の怪我を手当てする時はゴム手袋が必須で、手当した後は必ず手を洗うようにします。

そしてお金が勿体ないからと自分でピアスの穴を開けたり、消毒しているのか疑わしい不衛生な場所で入れ墨を入れるのも避けるべき行為です。実際、原因不明の感染者もおり、自分が意識していない場所で感染している事もあるのです。

性行為での感染を予防するためには?

b型肝炎の感染経路で最も不安視されているのが性行為によるものです。血液と同様にウイルスが多く含まれている精液や膣分泌液と濃厚な接触をする事になるため、HIVと同じ予防対策となります。ただHBVはHIVより感染力が高く、HIVでは感染しない行為もHBVでは感染する可能性があります。

予防するのに最も効果があるのがコンドームを使用する事です。射精時に使えば良いという訳ではなく、挿入する最初の段階から装着しておくのがポイントです。またフェラチオなどの行為も感染する可能性は0では無いので、この時もゴムを使用するのが賢明です。

コンドームを使ったからと言って、必ず予防出来るとは限りません。しかし粘膜が精液や膣分泌液、血液などと触れる機会を無くす事が出来るので、確実に予防効果は高くなります。性行為による感染はHIVと同様に自分自身で意識して予防していくしかありません。

不特定多数の相手と関係を持ったり、ゴム無しのセックスを続けているようでは常にリスクを抱える事となります。HBVは強い感染力を持っているだけに、全く知らない間に感染している事も有り得ない話ではありません。

実は身近なパートナーが感染している可能性もあるため、結婚前など何かのタイミングで一度二人で検査を受けて感染の有無を確認しておいても良いかもしれません。

b型肝炎ウイルスの保菌者の疑いがあるなら

ワクチンで予防する方法もあり

コンドームを使用する等して自分で予防する策はありますが、より安全性を考えるとワクチンを受けておく方法もあります。b型肝炎ワクチンは定期接種にもなっており、0歳の赤ちゃんは公費負担で接種出来るようになっているワクチンです。

もちろん大人になってからも有効で、例えば医師や消防士、警察官など血液に触れる機会が多い職業の人や海外渡航が多い人、家族にHBVキャリアの人がいる人等が特にワクチンの接種を推奨されています。個人差はあるもののワクチンの持続期間は約15〜20年と言われ、仮にパートナーが感染者であったとしても安全に生活する事が出来ます。

b型肝炎を予防する事は肝がんを予防する事にも繋がり、がん予防が出来る初めてのワクチンとして注目されています。